トップ団委員長のブログ

自分がボーイスカウトに求めていること
2010.01.04
指導者になって9年である。自分は子どもの頃はボーイスカウトやっていたわけではないので、そんなにかぶれていないつもりである。だからこそ、今の時代に合うボーイスカウトのスタイルを構築しやすいと考えている。

様々な指導者と保護者に会ってわかってきたのは、各々が求める「重視するボーイスカウト像」には様々だけれど、大きくは3つに分類できそうである。

1.規律正しい
2.スカウト技能
3.スカウト精神

1の「規律正しい」というのは、正しい言葉遣いやきっちりした発言、ビシッとした動きであり、大人が見て思う「気持ちが良い言動」である。ボーイスカウトでは「スマート」と表現している。
2の「スカウト技能」は、ロープワーク、火起こし、野外料理、野外工作、キャンピング技能などのいわゆる「アウトドアテクニック」である。

この2つに関しては、一般的な人がボーイスカウトに対して持っている印象であり、ボーイスカウトに我が子を入隊させる保護者もそれを期待しているのだろう。従って、この2点が際立っていると「さすが!ボーイスカウト!」と評価されるのである。

しかし、私は一番大事なのは3番の「スカウト精神」であると思う。「スカウト精神」は日本連盟の定義では、「ちかいとおきて、モットー、スローガンに基づいた活動やふだんの生活で実践できる基礎」となっている。この精神がボーイスカウトの基礎としてあるからこそ、その上にスマートな言動や技能が培われるのだと思う。

ところが世間もそうであるし、指導者の中にも1,2だけを強調して重要視する人が多いと感じる時がある。

規律正しい言動は、調教という形をとれば造作もなくできることである。要は体罰や叱責を多用し、強制的に「せざる得ない」恐怖政治体制をとればできるものであり、指導者の中にはその様に見える指導を行っている者もいる。

技能は、基本的に興味がある子はするし興味のない子はしないのが基本である。

そういう意味から、心の教育が無くとも結果として出せるのが、規律正しい行動や技能であると考えており、重要なのは人間として本当に大事ことを謳っているスカウト精神ではないかと思っている。自分がボーイスカウトの指導者をするきっかけになったのも、このスカウト精神に共感したからである。

人として大事な感情や社会性のある発想ができる人になれば、いろんなところで他の人々や社会に貢献できるであろう。極端な話、規律正しくなくともアウトドア技能ができなくても・・・である。すなわち、社会に必要なボーイスカウトは、規律正しいことやアウトドア技能ではなく人としてすばらしい人格を持つことではないだろうか。

正直、今、私が見ているスカウト達は、残念ながら1、2、3ともにイマイチである。でも、3については事ある毎に説いている。逆にいうと1、2については甘やかしている部分がある。それは、「まずはスカウト精神」と考え、それを最優先で考えているからである。もちろん、同時進行で1、2、3をやればいいのだが(やっていないわけではないが・・)、現代の子ども達は精神が脆く、抑圧やプレッシャーに耐える力がない為に、あれこれたくさんのことを「やらせる」のは難しいのである。

信じているのは、精神が宿れば自ずと規律正しくなり、技能も身についていくということである。しかし、子ども達には、その精神さえもなかなか身につかないのが現状でもある・・・・
2010.01.04 01:39 | 固定リンク | ボーイスカウト

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